当サイトは Google Analytics&statcounter社により、不正アクセスによるトラフィックの監視をしています

サイト上部バナー

割と時間の自由になる仕事についている暇オヤジが趣味でいじくりまわしている、古物(絵葉書など)やパソコンについて備忘録さながらに新たな発見を残していくプログです。

 

2021/07/21 マイニングに必要な変換ケーブルの有用性と危険性(ライザーカード編)

1台のパソコンで2枚のグラフィックカードを運用する際には、サイドにファンが取り付けできるとか電源容量とか送風ファンの強さ等を考慮しさえすれば足りるのだが、オープンリグで複数枚の運用に切り替えると途端に直面するのが、配線の問題です。大きく分けて2つの課題が浮かび上がってきます。

◆ ライザーカードへの供給電源ケーブル

◆ グラフィックカードの補助電源への供給ケーブル

ライザーカードへの必要供給電力を知る

第一次マイニングブームの頃と比べるとライザーカードも進化しているようで複数の供給方法が確保されている物が主流になってきつつあります。基本知識としてpcieスロットの最大供給電力は75wと良く言われていますが、pcie×1の場合は「12V/0.5Aで合計10W」の供給電力しか無いということに留意が必要です。

例としてRTX3070ではピーク時(マイニングでは本来関係ないのですが一応・・・)311Wが必要とされていますのでグラボの補助電源8pin2つとすると(150×2)300W供給可能ということで不足するのです。でも×1から10W供給されているのなら、なんか1Wの不足くらいなら全然大丈夫そうにも思えますよね(笑)おそらく電力的にはどこかが無理をして供給してくれるので大丈夫なのでしょう。仕様的に確保できるケーブルを差さないと動かないようになっているのだと思います。どこかに無理をさせると安全上(火災やグラボの故障)問題が起きるということでの安全上の対策も兼ねているのでしょうか。

×16スロットに直差しした場合はスロットからの75W供給をあてにしていて、×1に差した場合との区別をグラボメーカーが設けていないという点はグラボの補助電源で差はカバー出来ているということになりますが、計算上×16に差した時よりも65W少ない状態をカバーするためにライザーカードに補助電源を差さないと動作しないように設計されています。

さてここでライザーカードを購入した際に付属してくる「SATAコネクタ→6pin」の変換ケーブルは供給能力が60Wしかありません。元々のSATAコネクタに60Wの供給能力しかないので当然ですよね。それでも動作はします。ここは厳格に65Wの供給がないとライザーカード自体が動作しないように作って欲しかったというのが本音です。そうしてもらえれば火災の危険を一挙に減少させることが出来ます。

ライザーカードセット

正直なところグラボの補助電源を差した際にPCIEスロットとグラボ補助電源ケーブルからのグラボへの電力供給の按分がわかりません。グラボへの供給を補助電源と呼ぶくらいですから基本は先にPCIEスロットからの供給の可能性も高いです。考えてみてください、補助電源不要のグラボもありますし、6pinだけの補助電源のグラボもあります。マザーボードのpcieからの供給が最優先ではないにしても優先にされていると考える方が、正しいかどうかは別にして安全上優位な対策を立てられます。「SATAコネクタ→6pin」は常にMAXの供給電力が流されている状態だと考えてください。

SATAコネクタ→6pin

ここで「SATAコネクタ→6pin」を利用している人の中で燃えた人と、まだ何事もなく使えている人が存在しているという事実があります。後者は当りケーブルを引いているとも言えますし、マイニングをするにあたり必要な電力を使用する際(RTX3070で130Wくらいですかね、GTX1660SUPPER等なら75W程度とも聞きます)に補助電源の恩恵でMAXの電流が継続して流されるという状態はかろうじて回避されているということなのです。それでも当りケーブルを引き当てていれば火災は免れます。当りハズレというと外見上の判断のしようがないように思えるでしょうけれど、要するに被膜(ケーブルのゴム)の強さということになります。中に入っているケーブルの純度や量にも関係してきます。電流の流れる金属から発せられる熱に耐えられる被膜かどうかということになりますので、いくつかの製品を比べてみないとわからないとは思いますが、はっきりわかる部分でいうと、径の大きさで被膜の厚みが想像できます。綺麗な色合いで柔らかいのは経験上ダメケーブルですね(笑)。途中が溶けるというよりは6pinとの接続部分の近くが溶けます。私も別の部分のケーブルですが、燃えたことがありますし、同じタイプの変換ケーブルで10年前の製品だろうというものでもなんの問題も起きないものもあります。マイニングブームにのって量産されるものは危ないということが言えます。

当りケーブルを手にできて、消費電力も少ないグラボでマイニングできる環境の人はそれほどいないでしょう。何より現在手に入る「SATAコネクタ→6pin」ケーブルは線が弱弱しいので、運に期待するよりも65W必要なところに60Wの供給では燃やしてしまうというかもしれないという意識を持つことが求められます。

具体的なライザーカードへの電力供給方法

前置きが無茶苦茶長くなりましたが、現在のライザーカードでは電力供給(受給)方法が複数あります。

「SATAコネクタ→6pin」するもの、ペリフェラル1つを直差しするものが準備されています。あれ、こういうと2つしかありませんね(;^_^A。

このどちらも良くありません。しいていうなら「SATAコネクタ→6pin」よりもペリフェラル1つを差す方がまだ火災の可能性は減ります。ペリフェラルは供給電力は60Wなのですが、コネクタ自体の企画では120Wまで流せるように作られているそうです(目で見て分からないので疑心暗鬼ではあります)ので、60W目いっぱいを常時流されてもオーバーして流されてもSATAコネクタからの給電よりは安心していられます。といっても最近のケーブルではペリフェラルは3~4個付いているものが1本付いていたら良い方で付いていない電源ユニットもあると聞きます。半面SATAコネクタのケーブルだと最低2本以上はついています。1本あたりの個数が減らされて4本付いている物もありますので有効活用したいところです。

ところでペリフェラルは規格のおかげで有効活用できるコネクタなのですが、ペリフェラル1つを2又に分岐させて各ライザーカードの補助電源とすることはやめましょう。120Wまで耐えられる仕様で作られているとはいいますが実際のところ許容範囲や造りの差などもありますから、元の1つに120W限界の電力がかかるようにしてしまっては本末転倒です。あのような物は冷却ファンの為にあるのであって補助電源の為の物ではありません。SATAコネクタも同じことが言えます。

ペリフェラル分岐   ペリフェラル変換分岐

ペリフェラル1本が効率もいいのですが、ケーブルが足らないこともありますし、抜き差しすると基盤面のコネクタ接続部が壊れやすいという面もあります。ペリフェラルは他の使い道もありますのでSATAコネクタを有効活用するのが最もオーソドックスな方法になります。これもやはり個数を増やすために分岐させたりしてはいけません。反対に2個→1個の方法で利用個数を減らして使用することになります。

2SATAコネクタ6ピン

上記のようなSATAコネクタを利用することによって100%ではないにしても火災の可能性をかなり減らせられます。過電流の場合に2つのSATAコネクタケーブルに分散できるから燃えないとかいう説明を見たことがありますが、間違っています。60WSATAケーブル2つから65Wの必要電力を作り出すので過電流がかからないと言うのが正解です。按分すると1本当り32.5Wしかかかりません。当然被膜が弱いとしても負担量の半分ちょっとの電流しか流れていないので発熱自体がたいしたことがないので溶けにくくなり隣の線を溶かしたり、そこにホコリ等が乗っかっての発火の心配が無くなります。

個人的見解で順位をつけました。!(^^)!

①SATAコネクタ2本→6pin変換ケーブルを使う

②ペリフェラル直1本差し ※ペリフェラルはpcie補助電源ケーブルに変換で使えるので出来ればここで使いたくない。

③pcie6pinを直に使用する ※もったいなのでここで使いたくない。本数が限られるので具体的ではない。

④SATAコネクタ1本→6pin変換ケーブル(長期間は使用しない前提での、一時しのぎ的な方法としてなら可)

他にも方法はあります。グラボの補助電源の確保と共通するのでここでは軽い記載だけにしますが、pcie6pinを分岐させて使う。cpu→pcieに変換して6pinを使う、さらにそれを分岐させて使う等の方法もあります。ただ分岐や変換ケーブルの類は電源ユニットのメーカーが付属で付けてくれている変換ケーブルなら信用度も増すのですが、現在入手しやすいものはマイニングブームにのって中国の名の無い工場が量産しているものがほとんどなので被膜から溶けてしまう危険性が高く余裕をもった供給電流の計算をした上でやらないと危険なので、①~③以外の方法は出来るといっても安易に飛びつくのは危険です。よーく思案して行いましょう。

 

「グラフィックカードの補助電源への供給ケーブル」もやりたかったのですが、ライザーカードだけでも結構なボリュームになってしまいましたので、次回になるだけ早く記事にして掲載したいと思います。